夢の東京浪費ライフをあきらめた

社会人になったら東京に住んで、土日休みで定時であがって仕事帰りにデパートでコスメみたり、アニメイト行ったり、ジャニーズのコンサート、ミュージカル、映画を見たりして、たまには新幹線で遠征して、温泉旅行や海外旅行もして自分で稼いだお金で楽しく浪費生活が送れると思っていた。でも、現実は違うようだ。


私は今、神戸に住む大学4年生だ。関西出身で、田舎でもなく都会でもないほどよく生活に困らない程度のところに住んでいた。行きたい大学が神戸にあったので大学進学を機に一人暮らしを始めた。高校時代は部活と勉強で忙しすぎて休日なんてものはなく、毎日クタクタになって帰宅し、家族と喋って寝て朝早く起きて学校に行くという生活をしていたため、娯楽や趣味にお金も時間もかけられなかった。でもそれが普通だと思ってたから大変だったが、嫌ではなく、むしろ充実していて楽しかった。大学ではその忙しさや時間の束縛から解放されたくてサークルや部活にも所属しなかった。(正確に言えば天文サークルに所属し、自然愛好サークルとアイドル同好会を立ち上げたがほぼ縛りはなかったので良しとする)


大学時代は浪費した。と言っても、本格的に浪費をし始めたのは大学3年の春からだ。大学生活の前半はクソな恋愛をし、バイトで病みまくっていた現時点で人生最大の暗黒期だった。そこで、2年時の春休み期間に実家に帰り、バイトに対する恐怖感や嫌悪感をなくすため、家電量販店のレジ打ちのバイトをしながらリハビリをしていた。精神科にかかったわけではないからこれが病気なのかはわからないが、私はリハビリと思ってやっていた。そこで無事にバイトや労働をそこまで嫌だと思わずにこなせるようになって、晴れて3年生になった。



そこで一気に気持ちが晴れやかになって、「QOLを上げたい」と思い、突然Amazonでコーヒーメーカーを注文した。コーヒー、あまり得意ではないのに。家にコーヒーメーカーあったらかっこよくね?コーヒーを豆から挽いて飲むなんてかっこよくね?友達が家に来て挽きたてコーヒーだしたらかっこよくね?そう思って買った。幸い、カフェオレにドハマりしてほぼ週に3,4回飲んでいる。



取るつもりのなかった運転免許を取るために教習所にも通い始めた。海外旅行って意外と簡単にいけると知り、1ヵ月後にオーストラリアに一週間ほど友達と行くことにした。映画館なんて高すぎ…と思っていたが、ツイッターズートピアがいいとよく見かけるようになり、友達にも見に行った方がいいと言われたので見に行ったらズートピアはもちろん、映画館というシステムに惚れ込んだ。静かな真っ暗な環境で、途中で抜け出すことのできないふかふかの座席で心地よい温度の中、1~2時間集中して一つの物語をみる。なんて最高の贅沢だ。家ならすぐにネットを見てしまうから縛りつけられている状況はありがたい。映画同級生を見た。あまりに美しく素敵なお話だったので帰りにふわふわしながらアニメイトで同級生シリーズを全部買った。GWには弱虫ペダルにハマろうと決めて一気に見た。ドハマりしたので近くの店に試乗に行き、ロードバイククロスバイクを買った。ファンブックも含め全巻揃えてペダステにも行った。夏には1週間Sexy Zoneのサマパラのため東京に滞在した。初めての同人誌即売会に行ってそのあと推しカプのオンリーにも行った。入念に準備をして買うものリストをエクセルで作った。まわるサークルさんをリストアップする作業、本当に楽しくてワクワクしてアドレナリンドバドバ出てたと思う。その頃卒業したはずの推しカプが本誌に出てきて、あまりの幸福度でお祭り騒ぎだった。毎週木曜日の朝、少し早く起きてチャンピオンを買って大学で読みながら友達に解説していた。はじめて釣りにも行った。大学でアイドル同好会を作って文化祭で憧れだったコピーダンスを披露してアイドルになれた。キンキ―ブーツをみに行ってミュージカルの楽しさを知った。MMDを見て突然守沢千秋にハマり、初めて課金をし、MMDのモーショントレースをはじめた。アクセサリーづくりをはじめ、作り方の本やレジン、パーツ類もたくさん買った。女子アイドルの良さも知り、℃-uteのラストライブのライブビューイングでドバドバ泣いた。円盤も買った。友達とご飯に行くようになった。吉田朱里ちゃんの女子力動画をみてコスメを買いあさった。デパ地下という楽園を知った。百貨店の物産展をチェックし、頻繁に行くようになった。九州に住む彼氏とたくさん行ったことのない場所を旅行して綺麗な景色と美味しい食べ物を満喫した。マツコの知らない世界山と食欲と私という漫画を知って登山をはじめ、鹿児島の本州最南端の山「開聞岳」に初日の出を見に行った。連ドラの楽しさを知った。今思えば色んなことが起きたなあ。



この2年間で贅沢を覚えた。書き出したら楽しくて長くなったが、とにかく贅沢をした。我慢ができない性格なのでやりたい!!!と思ったらすぐに手を出すし本格的に道具を揃えたくなる。今住んでいるところから繁華街が徒歩圏内にあるというのが大きい。私は交通費が何よりも嫌いで、特に目当てはないけどフラっと買い物にいったり映画をみたり物産展にいくのが大好きなのだ。だから今はこの生活が最高でとても気に入ってる。



そしてここから本題なのだが、私の夢は「社会人になったら東京でハッピー浪費ライフを送ること」だった。が、それが叶いそうもないとわかったのでその夢をありったけの思いを込めて書き記して成仏させようと思って書こうと思い立った。



私はこの春、学生生活に終止符を打って晴れて社会人になる。周りの友達はみんな「働きたくない」「貧乏でいいからずっと学生やってたい」と言っている中、私は自分で金を稼いでガンガン浪費する生活が楽しみで仕方なかった。しかしそれが叶わない。理由は1つ。給料が少なすぎる。その上、うちの会社は家賃補助がないくせに配属先は都会にある。おまけに昇給はあまりなく、契約書に記載されていた額のボーナスはほぼないと思った方がいいと言われた。土日は必ずと言っていいほど休めないから土日休みの彼氏とはあわない。そもそも遠距離で会えないし同棲もできないし、独身だからこそできると思っていた浪費生活も送れない。もうこの際書いてしまうが、手取りはおそらく15万以下でそこから都会の家賃をひけば手元に残るのは10万以下だ。これなら仕送り含めた今の収入より低くなる。今より働かなければいけないのに収入が少ないなんて、もう何をモチベーションに仕事を頑張ればいいかわからなくなってきた。仕事内容が好きでやりたいから給料は二の次だと思っていた自分が恨めしい…。



では、気を取り直して「社会人になったらやりたいこと」を書いていく。



新宿に住みたい。
22歳の現時点 で東京で一番好きな街が新宿だ。これを人に言うと「なんで?」と言われることが多いが、浪費家の人にはわかってもらえるだろう。
新宿で家賃10万超の大きく綺麗な部屋でハッピー浪費生活したい。大型書店もアニメイトも映画館も百貨店も近くにある。映画館でレイトショーをみて終電気にせず歩いて帰れるしいつでもどこでもいける。ほかの都市へのアクセスがいい。何より、夜の新宿の明かりがいっぱいだけどごちゃごちゃしすぎてないところがたまらなく好きだ。

布教活動として現物支給をしたい。
金にものをいわす大人のオタクがしたい。


HuluとかNetflixとかdアニメストアとかに加入したい。
ポケットWiFiなので移動中や待ち時間にどこでも映画やアニメみたりできたら最高です。


ストリップショーとかバーレスクとか行きたい。
女の子のおっぱいに札をねじこみたい。

夏コミ・冬コミに行きたい。
推しカプ同人誌も欲しいが、「ファミマの俺の厳選スイーツ」みたいなそういう変わった同人誌が欲しい。


取り寄せグルメがしたい。
全国各地の美味しいものがお金さえ払えば行かなくても自宅に届くシステム、最高すぎません?


空手とかピアノとか習い事をはじめたい。
今まで習い事というものをしたことがないのでやってみたい。


登山したい。
mont-bellで登山用品いっぱい買って、山頂でコーヒーとかスープとか飲みたい。泊りがけで行くのもあり。


ロードバイクツーリングしたい。
新幹線で輪行して綺麗な景色見に行きたい。ストイックに近場を走るの飽きました。同じ景色飽きた。このへん知ってる。知らん土地行きたい。


医療脱毛したい。
旅行先にカミソリ持ってくのも毎日剃るのも水着着た時に気にするのもめんどくさい。


高い下着に課金したい。
仕事がどんなにだるくても「今わたしこんなドエロいいい下着つけてるからな!!!」と思うと乗り越えられる気がする。


TSUTAYA漫画レンタルしたい。
TSUTAYAって高いからゲオで借りたくなるけど遠くてめんどくさい…って思ってしまうからTSUTAYAで漫画レンタルできるだけのお金に余裕がほしい。読みたい漫画いっぱいあんねん。


ニンテンドースイッチ欲しい。
スプラトゥーンしたい。


デパコス欲しい。
コスメ沼ハマりたい。毎朝テンション上げたい。


セール時以外でも可愛いと思った服を迷いなく買いたい。


漫画、同人誌、DVD、CDを収納するデカい棚が欲しい。


32型の4Kテレビが欲しい。
最高に美しい推しアイドルを最高画質でみたい。本人が最高画質でいるんだからできるだけそこに近づけたい。


ソファが欲しい。
足も背もたれも倒れて、ものおける台が真ん中にあるやつ欲しい。


本屋で好きな本を買いたい。
話題の小説や気になった本を値段とか見ずに買いたい。それを晴れた日の公園で読めたら最高。


良い靴が欲しい。
靴ってファッションの中で私が一番蔑ろにしてしまうパーツ。花男の静香さんの「女の子はね、とびっきりいい靴を履きなさい。そしたら靴が素敵な所へ連れてってくれるから」みたいな感じのセリフが大好きで忘れられない。


かわいいサイクルウェアが欲しい。
値段で躊躇せずに何枚も持ちたい。


百貨店の物産展やフェアで好きなだけ買いたい。


気になる家電を買いたい。
アメトークの家電芸人などで見た家電を買いたい。


休日に存分に癒せる小旅行やバスツアーに行きたい。
お金気にせず楽しみたい。


ツイッターでみた「ふるさとボックス」やりたい。
金額決めて、地元のお菓子とか名物とか詰めまくってお互い郵送するやつやりたい。



いっぱいやりたいことあるけど、金さえあればすべて解決する。
金持ちになりたい!!!!!何も豪邸で自家用ジェットで、とかそういうのではない。
月35万くらいは欲しい。まあそりゃ、5000兆円あるに越したことはないけど。
待ち合わせなどの時間潰すためにカフェに入ったり、ネカフェで漫画読んだり、カラオケにいける金持ちになりたい。
映画館で迷わずドリンクやポップコーンを買える金持ちになりたい。


ちょっと贅沢をしてQOLあげられるようになりたい。


ここまで書いてみて気づいた。私は東京に住みたいが、絶対に東京でないとダメかと言われるとノーだ。
ある程度都会であれば生活していけると思う。だけど、趣味の中には「東京でしかやってないもの」が時々ある。
東京でしかやらないコンサート、舞台、イベント、企画展。これはつらい。どうしてもな時は遠征するが、そんなにホイホイ遠征していられない。
ここをうまく折り合いをつけられたらどこでもやっていける気がする。
でも、東京への憧れはいまだ捨てきれない。でも、仕方ない。配属先は強く希望を出せば東京になる可能性だって十分ある。
でも、この給料で東京に出て満足な浪費ライフが送れるのか?
多分無理だ。家賃でほとんど持っていかれて超貧乏生活になるのが目に見えている。だから私はあきらめる。東京ではないどこか、都会に住む。

バイバイ東京。来世では新宿に住む月収35万の女になるね。